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「世界は、知らない事ばかり」。

展示のトビラ。


盛岡での初!個展です。

ようやく、です。

やっと、あの町で、絵を飾れるのですね。


今回の展示は、まずタイトルが決まっていて、

テーマの色が決まっていて、

そこにどんどんストーリーを落とし込んでいく、という方法で進められています。

「にっし」の方にも少々書いてますが、今回の展示の場所は染物の町です。

だから町の名前を取って、(少し当て字をして、)今回の展示のタイトルを決めました。

もし、此処で展示が出来るなら、この名前がふさわしいだろうと。

そして会場は、記憶がおぼろげな頃に通っていたお店です。

4半世紀前くらいによく食べていたメニューが、今も名前を連ねてる。

僕にとっては、原点とも呼べる様な処、です。


ずっと昔に引き離されて、戻れる保証なんて無かった。

自分の足と自分の意志で、ようやく帰れる様になった時でも、

あの町が同じ姿を留めているかどうか、不安で仕方なかった。

それでも、確かにそこには同じ空気が流れていて、

ずっと手に入れられずにいたものが、溢れている。

観光とか、派手な町でもなくて、ここには何もないと言える様な町だけれど、

大切な場所が在り過ぎる町、です。


この町に育たなかったら、僕はきっと、描けていないと思う。


沢山、恩を受けて来た。

返せる保証が無いなら、せめて贈りたい。

ここまで色と絵達を支えてくれたのは、この町で育てて貰ったものだから。


テーマ色は紫。アクセントに黄色。

紫は、この町の染物の色です。

だからこの色で、何か一作描いてみたかった。

本当の紫は、もっと美しくて、深い色合いをしているけれど、

紛い物の紫でも、心は乗せられると思った。

さあ、僕は絵達を連れて帰ろう。
何が起こっても、変わらないものも在るのだと、あの町は残してくれたから。


星を描いたのは、そこに光が欲しかったから。

どんなに小さくとも、輝くものが欲しかったから。

誰かを照らし、導く為の光が足りないと思う。

そんなものを描けたらと、願っています。


伝えたい事は、沢山在るのかも知れない。

でも何よりも、ただ幸せを願いたい。

こんな時だから、より艶やかなものを。

平穏がこの世界に満ちる事を、祈って。


ちっともコンセプトっぽくありませんが、

僕にとって絵達は全て、祈りの様なものだから。

見て、楽しんで頂けたら嬉しいです。

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